中山七里さんの小説原作の映画「ドクター・デスの遺産-BLACK FILE-」のあらすじやネタバレ、この物語に特定のモデルがあるのか、または実話なのなど、物語の結末や犯人、感想も含めて紹介していきたいと思います!
この映画は北川景子さんと綾野剛さんが共演することでも話題の映画ですし、何と言っても原作がどんでん返しの帝王・中山七里さんです。
中山七里さんの物語は数多くが実写ドラマ化されていて、本当に人気です。
今回実写映画化された「ドクター・デスの遺産-BLACK FILE-」は、犬養隼人シリーズの第4作目です。
映画という121分の限られた時間で何処まで中山七里ワールドを表現できたのか!?
実写映画「ドクター・デスの遺産-BLACK FILE-」について紹介していきたいと思います。
目次
映画「ドクター・デスの遺産-BLACK FILE-」のネタバレ一覧
ここから、記事を全て読んでいただくのも嬉しい限りですが、記事が何分長いので、気になるところにジャンプ出来るように、それぞれのネタバレなどを項目ごとに用意しました!
気になる箇所をクリックしてみてくださいませ!
映画「ドクター・デスの遺産-BLACK FILE-」の基本情報
綾野剛が、主人公の警視庁捜査一課の検挙率No.1の敏腕刑事・犬養隼人を、北川景子が犬養のバディである捜査一課頭脳派No.1の、冷静沈着な刑事・高千穂明日香を演じる。
また、若手俳優の岡田健史が新米刑事の沢田を、さらに前野朋哉、青山美郷、石黒賢ら俳優たちが、犬養&高千穂と同じ警視庁敏腕捜査チームとして参加する。
そして、深川栄洋が監督としてメガホンを取る。
警視庁捜査一課No.1コンビと安楽死を手口にする、猟奇的な連続殺人犯“ドクター・デス”との攻防戦をスリリングに描き出すクライム・サスペンスだ。
【原作】
中山七里『ドクター・デスの遺産』(角川文庫 / KADOKAWA刊)
【監督】
深川栄洋
【脚本】
川﨑いづみ
【音楽】
吉俣良
【主題歌】
[Alexandros]「Beast」(UNIVERSAL J / RX-RECORDS)
【製作】
沢桂一、池田宏之、森田圭、菊川雄士、藤本鈴子、安部順一
【エグゼクティブプロデューサー】
伊藤響、鈴木光
【プロデューサー】
櫛山慶、岡田和則
映画「ドクター・デスの遺産-BLACK FILE-」のあらすじ
「苦しむことなく殺してさしあげます。」
ある闇サイトで依頼を受け、人を安楽死させる連続殺人犯ドクター・デス。
警視庁のNo.1コンビ犬養と高千穂は捜査に乗り出すが、遺族は犯人に感謝し嘘の証言で守る。
ドクター・デスは救いの神か猟奇殺人犯か・・・物語が進むほど、殺人犯が正しいかのような錯覚にハマる。
130人もの患者を安楽死させた実在の医師をモデルに描かれた禁断のクライム・サスペンス!
あなたはこの正義に驚愕する・・・。
原作「ドクター・デスの遺産」の結末までネタバレ
「悪いお医者さんが来てお父さんを殺しちゃった」
警視庁本部の指令センターに入った1本の通報。
当初はただの子供の悪戯かと思われたが、刑事の犬養隼人と高千穂明日香がその子供・馬籠大地の家に向かったところ、大地の父・馬籠健一の葬儀が確かに営まれていた。
長く肺がんを患っていたが、結局は心不全を起こして亡くなったのだという。
一見不審な点は無いように見られたが、いつもの主治医が最期を看取る前にもう1組、別の医師と看護師が来ていたことを高千穂が大地から聞き出したため、犬養は急遽、鑑定処分許可状をとって遺体を法医学教室へ送る。
その結果、血液中のカリウム濃度が異常な高値を示していることが判明する。
そして別の医師の存在を隠していた健一の妻で大地の母である馬籠小夜子を取り調べると、〈ドクター・デスの往診室〉というインターネットのサイトにアクセスし、病気で苦しんでいた健一本人同意のもと、20万円で安楽死を依頼していたことを白状する。
ドクター・デスとは、積極的安楽死を推奨した病理学者のジャック・ケヴォーキアンの異名。
チオペンタールの点滴によって患者を昏睡状態に陥らせた後、塩化カリウムの点滴で患者を心臓発作で死に至らしめる自殺装置を考案した。
スイス・オランダ・ベルギーなど条件付きで安楽死を合法としている国は確かに存在するが、日本では認められておらず、東海大学安楽死事件でも、家族に求められて患者に塩化カリウム製剤を注射して死に至らしめた医者には懲役2年・執行猶予2年の有罪判決が下されている。
サイトが開設されたのは2年前、そしてそこに書かれていた「今までに何人も安楽死を手掛けている」という一文から、馬籠家の一件は氷山の一角であると犬養の上司・麻生は指摘する。
マスコミが事件を報道すると、匿名での情報も入るようになり、犬養と高千穂はサイバー犯罪対策課が調べた、過去にサイトに書き込みをした人物らとあわせて1つ1つあたっていくことになる。
その中には塩化カリウムを使ったドクター・デスの犯行と思われるものも見られたが、遺族の反応は渋々ながら関与を認める者と真っ向から否定する者に大きく分かれ、認める者からもドクター・デスについての証言で共通するのは“頭頂部が禿げあがった小男だが、顔そのものは特徴が無い”ということだけだった。
しかしドクター・デスの案件の1つと思われる北条正宗宅での捜査中、同行していた看護師の人相については覚えている者が見つかり、各都道府県のナースセンターに照会したことから元看護師の雛森めぐみの存在が浮上。
町田署が任意同行をかけ、犬養が取り調べを行い、ドクター・デスが寺町亘輝という名前であること、今までに12件ほどケータイで呼び出され、補助するだけで1回6万円が支払われたこと、注射の中身は抗がん剤の一種だと思っていたことなどを白状する。
ドクター・デスが今までに関与した案件がはっきりしたことから、捜査本部は寺町が訪れた場所を徹底的に調べ、共通した藻を検出する。
その生息分布が3か所の河川敷に限られたことから、犬養に指名された葛城公彦がNPOの職員を装って河川敷のホームレスたちに聞き込みを続け、ついに松戸市江戸川の河川敷で「テラさん」と呼ばれている男・寺町亘輝がドクター・デスの人相と一致することを突き止める。
40名の捜査員に包囲された寺町はあっさり捕まり、事件は終わりかと思われたが、犬養は全てがうまくいきすぎていると感じていた。
捜査に進展が見られなかった時、最終手段として自らが依頼者となり、娘・沙耶香の安楽死を依頼したものの、あっさり裏をかいて警告してきたドクター・デス。
複数の案件の中で、唯一チオペンタールが使われなかった安城邦武の案件について、敬愛するジャック・ケヴォーキアンの方式を採用していないそれは自分の犯行ではないときっぱり主張してきたドクター・デス。
人物像にも違和感を感じながら取り調べを続けていた犬養は、寺町の言葉に愕然とする。
そしてそんな犬養の携帯に、本物のドクター・デスから連絡が入る。
数日後、犬養は娘の病室で真犯人逮捕の報告をしていた。
しかし「犯人は捕まえたが、罪をつかまえられなかった」と、本物のドクター・デスと自分との最後のやりとりを思い起こす。
原作「ドクター・デスの遺産」のネタバレ・感想
映画とは違うけど、永遠の課題
最後まで読むと犯人に対する感覚が読み始めとは違うものになると思います。
安楽死は長いこと問題になってきましたが、やはり永遠の課題です。
いろんな受け止め方があると思いますが、どこまでも出ない答えを考えさせられる作品です。
安楽死
刑事犬養シリーズの四作目です。
今回は安楽死がテーマ。
闇サイトで安楽死を20万円で請け負うドクター・デスを犬養、高千穂のコンビが追います。
警察小説としての面白さはもちろんんですが、やはり今回は安楽死について考えさせられました。
自分がもし当事者になったら安楽死させて欲しいと願うばかりですが、超保守的な日本では、安楽死が認められる日は来ないのではと悲観しています。
また難題をテーマにしたなぁ
臓器移植・悪意の連鎖・薬害問題と来て今回は安楽死。
難しいテーマだ。
現在の日本の倫理・ルール上ではNGだけど、心情的にはグレーゾーンというのが安楽死だと思う。
いけない事だが仕方がない。
仕方がないからそうしたが、いけない事なんだろうか?を果てしなく繰り返してしまう無限ループに陥る。
物語は結果論から考えれば現実のルールに沿った終末になるが、ルールがNGだから簡単にそうしましたって単純な終わり方ではない。
結果を踏まえた上でも、心情的には解決しない後味の悪さと重さは残るし、ソレを緩和するのは最後の最後に書かれている闘病中の犬養隼人の娘の言葉。
いつもいつも勧善懲悪でスッキリコッキリハッピーエンドで終わらず、事件として、物語として一区切りはするがどこか後味が悪い感じで終わるのがリアルだし、事実、現実社会だってそんなモンだよね。
ただ、難しいテーマを選んでいるけれど、作品としてはキレが良く、テンポも良く、いつもながらに楽しく読めました。
気持ち悪くて重々しくてスッキリしないのが好きです。
「ドクター・デスの遺産」は実話?モデルは?
今回の映画「ドクター・デスの遺産」は実話なのか、特定のモデルはいるのか・・・安楽死をテーマにしているだけに、気になるところですよね。
この物語、実は特定のモデルが居ました。
このドクター・デスは実在した医師がモデルとなっています。
その名はジャック・ケヴォーキアン。
米国の病理学者で元医師という経歴を持ち、末期病患者の積極的安楽死の肯定者で、130人に及ぶ患者を殺害し「死の医師(ドクター・デス)」と呼ばれていました。
このケヴォーキアンを題材にした映像作品は「ドクター・デスの遺産」だけではありません。
2010年に全米HBOで放送された『死を処方する男 ジャック・ケヴォーキアンの真実』は、アル・パチーノ主演、バリー・レヴィンソン監督という豪華な布陣で制作され、第62回プライムタイム・エミ-賞でテレビ映画部門の主演男優賞、テレビ映画脚本賞を受賞。
さらに第68回ゴールデングローブ賞のミニシリーズ・テレビ映画部門の主演男優賞を受賞。
医師ケヴォーキアンの苦悩と葛藤、彼やその周囲の知られざる実像にも迫った作品として世界的高評価を受けました。
人間には“死ぬ権利”があるとうたい、世界中に物議を醸してきたケヴォーキアンでしたが、「ドクター・デスの遺産」もまた、犬養と高千穂、そして観客たちの信じた正義を揺るがす存在としてスクリーンに映し出されていきます。
映画「ドクター・デスの遺産-BLACK FILE-」のキャスト※原作情報含む
━━━━━━━━ #岡田健史 と一緒に帰ったんですよ。
車の中での第一声が
"どうやったら芝居は上手くなりますか?"
って。まあまあ人生かかった質問を
直球でされました(笑)
その時の目もキラキラしていましたね。━━━ by #綾野剛#ドクターデス の遺産 11.13(金)公開🏴 pic.twitter.com/kl1cXk1xpM
— 映画『ドクター・デスの遺産-BLACK FILE-』公式 (@doctordeath1113) October 30, 2020
犬養隼人 演:綾野剛
警視庁捜査一課・麻生班の刑事。
腎不全で病気療養中の娘・沙耶香がいるため、安楽死に加担した家族たちの弱さを責める気になれず、自身もそういう状況になれば誘惑を断ち切れる自信は無いと思っている。
高千穂明日香 演:北川景子
犬養と行動を共にする女性刑事。
現在は技能指導員と組んでの仕事も並行している。
遺族たちがドクター・デスに感謝している話を聞いているうちに、安楽死は本当に犯罪なのかと悩むようになる。
沢田圭 演:岡田健史
新米刑事。
その他警視庁敏腕捜査チームキャスト
前野朋哉
青山美郷
石黒賢
原作キャラクター
麻生(あそう)
警視庁捜査一課の班長。
犯罪者の次に、妙な宗教に凝り固まった人間や、マスコミでコメントを垂れ流す社会心理学者という人種を毛嫌いしている。
ドクター・デスについては、個人の死ぬ権利を尊重すると言いつつ結局は自分の殺人衝動を満足させているだけだと憤っている。
村瀬(むらせ)
管理官。
津村(つむら)
捜査一課長。
高梨(たかなし)
麻生班の刑事。
三雲(みくも)
サイバー犯罪対策課の班長。
以前の事件で犬養とは顔見知り。
蔵間(くらま)
法医学教室の准教授。42歳。
理知的な目が印象的。犬養とは顔見知りだが、高千穂とは初対面。
御厨(みくりや)
検視官。
北条正宗の検死をする。
葛城 公彦(かつらぎ きみひこ)
犬養の後輩刑事。
桐島班所属で、階級は巡査部長。
ひどく穏やかな目をしており、とても刑事には見えない。仕事は丁寧。
倉科 恵子(くらしな けいこ)
警視庁本部の通信指令センター所属。
馬籠大地からの通報を受け、同期の高千穂に相談する。
北園 深雪(きたぞの みゆき)
通信指令センター所属。不審な匿名電話を受ける。
依頼人とその関係者
馬籠 大地(まごめ だいち)
8歳。父親の健一が殺されたという110番通報を2日続けて行う。
練馬区石神井町2丁目在住。
馬籠 健一(まごめ けんいち)
大地の父。自動車部品を扱う工場を経営していたが、4年前から体調を崩し、肺がんが判明した。
入院治療を行うが回復せず、3年目からは医療費を捻出できなくなり、自宅療養を続けていた。
馬籠 小枝子(まごめ さえこ)
健一の妻で大地の母。
馬籠 啓介(まごめ けいすけ)
健一の甥。
巻代(まきだい)
練馬区で開業している医師。
馬籠家の主治医であり、健一の臨終を看取った。往診時には黒塗りのセダンを使う。
紅林(くればやし)
馬籠家の隣人。
増渕 耕平(ますぶち こうへい)
全身性エリテマトーデスを患う長女・桐乃(きりの)の安楽死を依頼しようとしたことがある。
サイト訪問時の半年後に桐乃は死亡している。
50代の気弱そうな男。
自宅は市原市にあり、妻も同じ病気でずいぶん前に亡くなっているため、現在は1人で住んでいる。
安城 邦武(あんじょう くにたけ)
川崎在住。重軽傷者14人を出した西端(にしはた)化成の爆発事故で、薬品を浴びて十数か所の裂傷と火傷を負い、顔は膨れ上がり身内でも見分けがつかないくらいの状態で西端病院に入院していたが、高カリウム血症で死亡した。
妻の冴美(さえみ)、長男の英之(ひでゆき)、長女の久瑠美(くるみ)がいる。
宇都宮(うつのみや)
勤務医。安城邦武の主治医。
小菅 仁一(こすげ じんいち)
事故のあった西端化成の化学工場第二プラントの工区長。
安城の直属の上司。愛煙家。
立花 志郎(たちばな しろう)
安城の部下。20代。
事故の時に逃げ遅れたが、安城に助けられた。
柳原 正也(やなぎは らまさや)
第二工区の作業員。
安城を慕っていた。
岸田 聡子(きしだ さとこ)
大田区池上9丁目の古いマンションの8階在住。47歳。
「ドクター・デスの往診室」にコメントを残したことがある。
息子の正人(まさと)は拡張型心筋症だったが、去年8月に24歳で心不全で亡くなっている。
夫は外に女を作って出ていったため、正人が20歳の頃に離婚している。
サイトには“クレバーチャイルド”というアカウント名で書き込みしていた。
砺波 達志(となみ たつし)
千葉県市川市行徳在住。市内の自動車製造工場に勤める55歳。
一昨年の11月に母親の多津(たづ)が認知症および心疾患で自宅療養中に突然死している。
妻は多津が認知症を患った頃に出て行った。
介護に大変だった時、徘徊しても警察は探してくれず、国も補助も施設も用意せず何もしてくれなかったと恨んでいる。
北条 正宗(ほうじょう まさむね)
10月28日午前1時35分永眠。享年90。
成城の高級住宅街に邸宅をもち、総資産400億、傘下に23の企業がある北条グループの総帥で「昭和の妖怪」という異名をとる。
寝たきりの状態でも細々とした指示を出し続けていた。
前触れもなく倒れ、発見された時には大腸がんが肝臓や肺まで転移しているステージ4の状態だった。
北条 英輔(ほうじょう えいすけ)
正宗の息子。痩せぎすの50代半ば。
家族は静江(しずえ)という妻、他所に住んでいる学生の孝之(たかゆき)という息子がいる。
加寿子のことは生まれが下賤だと嫌っている。
山岸 加寿子(やまぎし かずこ)
英輔の母が亡くなった後に正宗の後妻の位置にいる女。60歳くらい。
惣一(そういち)という一人息子がいる。
経営の才能があり、性格も温和なため惣一は正宗に認知されているが、加寿子とは籍を入れていない。
惣一を時期継承者にしたいと考えており、英輔のことを快く思っていない。
帆村(はんむら)
正宗の主治医。
古舘(ふるたち)
北条グループの顧問。
久津輪 博信(くつわ ひろのぶ)
48歳。出雲市在住。
末期のすい臓がんで、自ら安楽死をドクター・デスに依頼する。
妻と長男の3人暮らし。
その他
沙耶香(さやか)
犬養の娘。腎不全で帝都大附属病院に入院中。
犬養がおとりとなってドクター・デスに依頼する計画を打ち明けられ最初は憤慨するが、「ちゃんと責任もって最後まで護ってよ」とはっぱをかける。
雛森 めぐみ(ひなもり めぐみ)
元看護師。37歳。
5年前に勤めていた病院が倒産してからは、スーパーや衣料量販店のバイトで食いつないでいる一人暮らし。
両親とは死別、兄弟はいない。結婚歴あり。
寺町 亘輝(てらまち のぶてる)
頭頂部が禿げあがった小男。
ブライアン・ホール
国境なき医師団のアメリカ人医師。
どんな状況でもユーモアを忘れず、知識と情熱の全てを治療に捧げる。
映画「ドクター・デスの遺産-BLACK FILE-」キャスト・スタッフのコメント一覧
綾野剛のコメント
禁断の題材にとうとう触れてしまった思いでなりません。
撮影中もこの作品の強度に耐えうる表現ができているのか?と自問自答の日々でした。
しかし、そこで大きな支えとなり現場を包み込んでくれたのが初バディである北川景子さん。
2度目の共演ですが、本当に頼もしく、常にブレない芯の強さと清らかさがあります。
深川監督、各部署スタッフ、キャストと共に、新たな新境地に立つ事ができました。
お届けできる日が今から楽しみです。
北川景子のコメント
「お父さんが悪いお医者さんに殺された」という男の子からの通報をきっかけに、二人の捜査一課コンビが連続殺人犯を追いかけることとなります。
最後まで誰が犯人なのかわからない緊張感と、私たちが犯人像に辿り着くまでのもどかしさ、焦燥感をお客様に感じていただけるように撮影していきました。
事件を追えば追うほど、犬養、高千穂それぞれが「命の尊厳とは何か、安楽死は善か悪か」と悩み翻弄されていくので、その感情を細かく丁寧に演じられるよう取り組みました。
アクションも少しあるので、かっこよく、暑い夏に負けないように(熱中症にもなりましたが)がんばりました。
綾野さんとは2度目の共演ですが、2人1組でずっと動く役は初めてです。
綾野さんは常に役と向き合っておられる熱い方です。
犬養が一つのことに集中した時に醸し出す殺気や、こうと決めたら一直線に突き進んでいく勢いは綾野さんなのか犬養さんなのか、分からないほどでした。
私は部下でありながら、そんな綾野さん演じられる犬養を冷静に、時々呆れながら、時々乱暴に扱いながら見守る役です。
手のひらで転がしていると言っても過言ではありません。
現場でも気がつけば綾野さんをずっと観察していました。
綾野さんは思いつきでいろんなことをお芝居に取り入れたり、好奇心旺盛な子どものような一面があると今回初めて気がつきました。
そんな綾野さんを後輩ながら微笑ましく見守ってきた夏でした。
私たち凸凹コンビをどうぞ楽しみにしていてください。
岡田健史のコメント
今回沢田圭を演じさせて頂きます、岡田健史です。
今回初めて刑事役を演じるにあたってプレッシャーはあったものの、皆様に助けて頂き何とかクランクアップを迎えることができました。
綾野さん、北川さんとのシーンでは、僕は安心してお二人に身を委ねながら沢田のキャラを作りあげました。
お芝居を通じてたくさん学ばせて頂き、新たな自分の一面を発見できました。
初めての刑事役、是非、御覧ください!
監督:深川栄洋のコメント
心掛けたのは最後まで振り落とされないように舵を握り続けること。
プロデューサーと目指したのはエンターテインメントとして、ある社会問題と向き合うこと。
ともすれば深く入り込みすぎて、自分の立っている場所が分からなくなるような作品です。
誰もが人生のどこかで必ず向き合わなくてはならないテーマを綾野さん北川さんとともに悩み尽くした作品となりました。二人はいいコンビです。
綾野さんは北川さんのことを、北川さんは綾野さんのことを僕に教えてくれました。
二人は全く違う考え方を持った役者ですが、二人とも強烈な役者バカだと思います。
もちろんそういう僕も映画バカですが・・・、子役オーディションに参加して子役の為に熱演していた綾野さんと、アクションで綾野さんに本気の蹴りを見舞う北川さんの熱を感じに劇場に来てください。
プロデューサーのコメント
中山七里先生の原作を読んだ当初から、「今、映像化すべき作品だ!」と思いつつも、「この題材を扱いながら映画としてエンターテインメントにするには?」というところで頭を抱えていました。
その懸念を吹き飛ばしてくれたのが綾野さんと北川さんのバディでした。
綾野さん演じる犬養という男は、法を守る立場からドクター・デスを追うものの安楽死に翻弄されていくという非常に複雑な役です。
綾野さんは、そんな犬養に真っ向から向き合い「綾野剛なのか犬養隼人なのか」わからなくなるほど狂気の芝居を見せてくれました。
北川さん演じる高千穂は、そんな犬養を冷静に理解し、叱咤し、支えていく役ですが、圧倒的な華やかさと、観る人を瞬時に引き込む芝居で、綾野さんの犬養隼人を受け止めてくれました。
この二人のバディのおかげで、難解な題材に負けない、最高のクライム・サスペンスが出来上がったと予感しています。
是非劇場で御覧ください。
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