手塚治虫生誕90周年記念作品である映画「ばるぼら」のあらすじやネタバレ、キャスト情報や原作漫画の結末や感想などについて紹介していきたいと思います。
この物語は手塚治虫先生の漫画原作の実写映画化作品なのですが、稲垣吾郎さんと二階堂ふみのダブル主演です。
SMAPが解散し、新しい地図となり、草彅剛さんは「ミッドナイトスワン」が話題ですし、その中で今度は稲垣吾郎さんの映画です。
いったい映画「ばるぼら」はどのように評価されているのでしょうか・・・。
映画「ばるぼら」について紹介していきたいと思います。
目次
映画「ばるぼら」のネタバレ一覧
ここから、記事を全て読んでいただくのも嬉しい限りですが、記事が何分長いので、気になるところにジャンプ出来るように、それぞれのネタバレなどを項目ごとに用意しました!
気になる箇所をクリックしてみてくださいませ!
映画「ばるぼら」の基本情報
「ばるぼら」は、手塚治虫が手がけた大人向け漫画として『ビッグコミック』(小学館)で1973年(昭和48年)7月10日号から1974年(昭和49年)5月25日号まで連載された。
<ばるぼら>という名前のフーテンの少女と出会った作家・美倉洋介が、小説家としての悩みを抱えながら、成功し、名声を得、それを失い、破滅するストーリーにはさまれたオーブリー・ビアズリーの線画のような耽美的なカットや、ムネーモシュネーのような女神像、ポール・ヴェルレーヌの詩、西洋の哲学者や作家の名言、それに退廃的な芸術論が盛り込まれ、随所に文学好きや芸術好きの心をくすぐる仕掛けが施されている。
ばるぼらは、美倉にとっては詩をつかさどる女神ミューズのような存在であり、芸術の神様は、ギリシャ神話の美の女神みたいなきれいなものじゃなくて、貧乏神の向こうを張れるぐらいみすぼらしい、少し素っ頓狂な神様なんじゃないか・・・?
というのが、手塚治虫の芸術観として垣間見れる、異色の名作である。
禁断の愛とミステリー、芸術とエロス、スキャンダル、オカルティズムなど、様々なタブーに挑戦した大人向け漫画「ばるぼら」。
この、“映像化不可能”と言われていた原作の映画化がついに日本で凱旋公開となる。
第32回東京国際映画祭2019・コンペティション部門の正式招待をはじめ世界各国の映画祭を巡り大きな反響を呼んでいる本作、日本・ドイツ・イギリスから唯一無二のスタッフ&キャストが集結してできた奇跡の映画として、日本映画史に残る作品が出来上がりました。
監督は手塚治虫の実子であり『白痴』(ヴェネチア国際映画祭 デジタルアワード受賞)『ブラックキス』(東京国際映画祭)など独特の映画美学により国際的に評価される手塚眞。
撮影監督にはウォン・カーウァイ監督作品の映像美で知られるクリストファー・ドイルを招き、世界高水準のクオリティとなるアート・シネマが完成した。
異常性欲に悩まされている耽美派小説家・美倉洋介を演じる稲垣吾郎と、自堕落な生活を送る謎のフーテン女・ばるぼらを演じる二階堂ふみが本作で初共演。
甘美で退廃的な異世界に全身全霊で臨み、共演陣には渋川清彦、石橋静河、美波ら国内外で活躍する豪華俳優陣が集結。
「ばるぼら」はデカダニズムと狂気にはさまれた男の物語である。
映画「ばるぼら」のあらすじ・ネタバレ
芸術家としての悩みを抱えながら、成功し、名声を得、それを失い、破滅していく人気小説家・美倉洋介(稲垣吾郎)。
アルコールに溺れ、都会の片隅でフーテンとして存在する、謎の少女-ばるぼら(二階堂ふみ)。
ある日、美倉洋介は新宿駅の片隅でホームレスのような酔払った少女ばるぼらに出会い、思わず家に連れて帰る。
大酒飲みでだらしないばるぼらに、美倉はなぜか奇妙な魅力を感じて追い出すことができない。
彼女を手元に置いておくと不思議と美倉の手は動きだし、新たな小説を創造する意欲がわき起こるのだ。
彼女はあたかも、芸術家を守るミューズのようだった。
その一方、異常性欲に悩まされる美倉は、あらゆる場面で幻想に惑わされていた。
ばるぼらは、そんな幻想から美倉を救い出す。
魔法にかかったように混乱する美倉。
その美倉を翻弄する、ばるぼら。
いつしか美倉はばるぼらなくては生きていけないようになっていた。
ばるぼらは現実の女なのか、美倉の幻なのか。
狂気が生み出す迷宮のような世界に美倉は堕ちてゆくのだった・・・。
映画「ばるぼら」のネタバレ・感想
とにかく主演の2人が気持ち良いほど美しい。尊い。奇跡の2人です。
ドイルさん本当にありがとう。
美倉とばるぼらのラブシーンだけに焦点合わせて言わせてもらうと、前半のそれはそれは美しいベッドシーン。
美倉の優しく包み込む指使いから彼女を心から愛しみ尊んでいることが伝わってくる。
中盤のようやく逢えたときの情熱的なキスシーンは息を呑むほど激しかった!
けど全くいやらしくないですし、感動して泣けました。
それに反して後半のシーンは動かない彼女を物のように激しく欲望のまま扱うという。
前半との差から彼の孤独と悲しみが痛いほど伝わってくる。
苦しくて見てられません。稲垣吾郎の役者魂が炸裂しています。
死んだのかわからない状態のばるぼらは、この世の物とは思えない存在感を放っています。
神々しかった。二階堂ふみちゃん、あなたは凄い。
特に終盤にかけて2人がこの作品を愛し、理解し、憑依している姿が映し出されています。
観ているこちらも怖いくらいにその世界に入り込んでしまいました。
映画「ばるぼら」の結末
映画のラスト・・・結局2人はどうなったのか・・・漫画には割と具体的な答えがあるけれど、映画には全く無いので分かりません。
だけど映画の中でラストがどうなったかは重要ではないかな。
そんなことよりも、実に不思議で、美しく、心と耳(音楽に触れませんでしたが、音楽も世界観を思いきり引き立たせていて素晴らしいのです!)に残る映画でした。
こんな距離感の原作映画もなかなか良いな。
親子ならではのおしゃれなコラボレーション作品だと思います。
素晴らしい漫画と映画と手塚親子に心からありがとう。
映画「ばるぼら」のキャスト※原作ネタバレ含む
◤#ばるぼら 公開まであと6️⃣0️⃣日🖋◢
人気小説家・美倉と謎の女・ばるぼらの愛と苦悩に満ちた幻想物語✨お楽しみに!
✐☡ ✐☡ ✐☡
狂気の果て。
あれは、幻だったのだろうかー
✐☡ ✐☡ ✐☡#ばるぼら #手塚治虫 #手塚眞 #稲垣吾郎 #二階堂ふみ #11月20日公開 pic.twitter.com/oWZp3Nn5Cq— 映画『ばるぼら』公式 Tezuka's Barbara (@BarbaraTezuka) September 21, 2020
美倉洋介 演:稲垣吾郎
本作の主人公。売れっ子耽美派小説家。
作中の自称では「耽美主義をかざして文壇にユニークな地位をきずいた流行作家」。
出版社の社長から娘との結婚を望まれていたり(その出版社での作品の独占出版も含む)、父と同郷の代議士から娘との結婚を望まれていたり(後々は後継の政治家に望まれている)するが、異常性欲に悩まされている。
著作は海外翻訳もされており、海外の作家とも交友を持っている。
中盤、バルボラからインスピレーションを得て「狼は鎖もて繋げ」を執筆、これが大々的にヒットし映画化もされる。
終盤、『ばるぼら』を執筆。「ホフマンの幻想小説の現代版」と評される。
ばるぼら 演:二階堂ふみ
本作のヒロイン。冒頭の美倉の説明では「都会が何千万という人間をのみ込んで消化し、たれ流した排泄物のような女」とされる。
アルコール依存症で自堕落な性格のフーテン女。
新宿駅で柱の陰にうずくまっていたところを美倉に拾われる。
ムネーモシュネー 演:渡辺えり
ばるぼらの母親を自称する女。
新宿の裏通りで骨董屋を営んでいるが、店は扉ごと姿を消していることもある。
ギリシア神話で芸術を司るミューズたちの母親ムネーモシュネーは記憶を神格化した女神であることが作中でも説明されている。
里見権八郎 演:大谷亮介
美倉の父親と同郷の衆議院議長。
娘の志賀子を美倉と結婚させようとしていた。
都知事選挙に立候補する際には、美倉作品読者の票を見込んで後援会会長就任を依頼する。出馬直前に脳溢血で死亡。
里見志賀子 演:美波
里見権八郎の娘。バルボラが行方不明になった後に美倉と結婚する。
結婚後は美倉を政治の世界に引っ張り出そうとする。
その他キャスト
四谷弘行 演:渋川清彦
甲斐加奈子 演:石橋静河
須方まなめ 演:片山萌美
紫藤一成 演:ISSAY
映画「ばるぼら」キャスト・スタッフのコメント一覧
稲垣吾郎のコメント
「都会の吹き溜まりに真実は潜んでいる。あらがえない輪廻転生の中に自分の人生もまるごと引きずりこまれていく」
そんな思いと共に今も僕の中にばるぼらが生きています。
手塚眞監督、スタッフの皆さん、そして役を共に生き抜いてくださった二階堂ふみさんをはじめとしたキャストの皆さんにも心から感謝しています。
二階堂ふみのコメント
曇天の新宿を、稲垣さん演じる美倉洋介と走り続けました。
湿ってて、汚れてて、それでも愛おしさを感じてしまう人間の感情に埋れながらも、美倉先生はひたすら貪欲にそれらを追い続けておりました。
雑踏の中、希望を示してくださり、助けて頂き、感謝しかありません。
手塚眞監督のコメント
手塚治虫生誕90周年を記念してはじまった映画『ばるぼら』。
自分がこれまで描いてきた映画の世界と手塚治虫マンガの接点があるとすれば、この作品に違いないと選んだ原作でしたが、まさに夢のようなキャスト、スタッフが奇跡のように集結し、夢を見ていたかのような撮影、そしてこれも夢の中のようなベルリンのスタジオで魔法のように完成。
東京国際映画祭をはじめ多くの国際映画祭への招待。
なにもかもが「芸術の女神(ミューズ)」の粋な取り計らいなのだと信じています。
稲垣吾郎さんと二階堂ふみさんの美しさはまさに芸術品。
そしていよいよ多くの皆さんと夢を分かち合えるときが巡ってきました。
恐らくミューズは、映画館から閉塞的な世の中へ奇跡をふりまくことでしょう。
愛と狂気についての映画ですから、理屈も言葉も超えて、陶酔の世界を堪能していただければ嬉しいです。
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