実写映画化された原作漫画「さんかく窓の外側は夜」の53話(10巻)のネタバレを紹介していきたいと思います。
「さんかく窓の外側は夜」の9巻では、失望と怒りで三角を呪いの池へ突き飛ばした冷川は、先生に
「あの子が欲しいんだろ?閉じ込めてきみだけのものにしなよ」
と、取引を持ち掛けられていました。
一方、三角は行方をくらました冷川の居所を探していた。
冷川を迎えに行き、今度こそは受け止めてやりたいと決意し、迎、英莉可、逆木とともに冷川救出に向かう。
もう戻ってこれないかもしれない身に、母から譲られた父の形見をつけて。
覚悟を決めた三角を待ち受けていたのは・・・。
20年以上の時を経て、父と子、宿命の対峙・・・という内容でした。
それでは「さんかく窓の外側は夜」の53話のネタバレを紹介したいと思います。
「さんかく窓の外側は夜」のネタバレ一覧
ここから、記事を全て読んでいただくのも嬉しい限りですが、記事が何分長いので、気になるところにジャンプ出来るように、それぞれのネタバレなどを項目ごとに用意しました!
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「さんかく窓の外側は夜」53話のネタバレ
虚な目をした先生は、
「僕が誰だか知りたいか?」
とひたりと静かに三角に近付いてきます。
一方、三角はその場から動けずにいます。
先生は呟き続けます、
「自分が三角にとってどんな存在なのかを知ればきっと三角にも分かる、そして同じところへ落ちてきてくれる・・・」
と唱えながら三角に近付き、その肩に触れようとしたその時。
ビクッと揺れる三角をよそに、先生の手は三角に触れる直前で、どうにも止まってしまいる。
先生は、
「戒めが生きている」
と、ぽつりと呟くと、今度は動けない三角の周りを、ひたひたと、ゆっくり、静かに、歩き周りながら話し続けます。
「教えてほしい、忘れてしまったんだ、お前の名前。」
ポツポツとあらゆる方向から紡がれる先生の言葉。
三角の中で、それらと今まで断片的に聞いてきたある人物の特徴が結びつき、そして先生へと繋がっていきます。
嫌な予感が満ちていったその時・・・。
背後から先生が言います。
「お前の名前を実の父親に教えてくれ」
・・・と。
ミシリ、と、三角の魂が歪む音が響きました。
同刻、皆のいる空間で、先生の結界の中が一様に大きくグラつき、ミシミシと何かのひしゃげるような音がひっきりなしに響きます。
逆木と取り残された元呪い屋・英莉可は、この軋みが先生の力によるものではないと気付きます。
もう一方で占い師・迎が合流した少年時代の冷川は、
「自分もこの現象を起こしたことがある」
と言います。
全て壊れてしまえばいいと思った時に、起こった現象であると。
三角は、上手く呼吸ができません。
身体の中で、まだミシミシミシと、何かの潰れていく音が止まりません。
思わず膝を折り、蹲って胸を押さえます。
その様子に先生は、
「名前を知らないとこの辺りが限界か」
と、つまらなさそうです。
一方三角は、囁かれた言葉がまだ呑み込めずにいました。
先生が、自分の父親。
散々人を殺してきた男が、自分の父親。
ミシミシミシと、中心のひしゃげる音が加速します。
苦しそうに蹲ります。
壊れそうな三角を見て、壊れてくれ、と先生は呟きます。
「ずっとお前さえいなければと願っていた」
・・・と。
三角は心臓が冷たくなっていくのを感じていました。
まるで氷の杭でも打ち込まれたような冷たさです。
自分の父親が人殺しで、あげく自分の存在を憎んで?ダメ押しするように、先生は言葉を重ねていきます。
「お前さえいなければよかった、ずっと思っていた、暑い夏のあの日を後悔し続けた、あの日お前を殺しておけばよかった、生かしたことが間違いだった。」
ミシッ・・・。
父親に存在を否定された三角の魂が、一段と大きな音を立てて歪みました。
空間のグラつき、メキメキとした軋み音は大きくなっていきます。
退避した方がいいのかと迷う逆木と、今出たらハグれた皆を助ける方法がなくなると言う英莉可。
ふと逆木は、その辺にうじゃうじゃいる死人の力でどうにかできやしないかと、疑問ながらに打開策を提案します。
逆木の言うとおりでした。
「できる」
英莉可は呟きます。
先生に使われていない、ただそこに居合わせただけの死者の力を借りて。
「できる」
英莉可は断言します。
自分の中に取り込んだ死と死者を寄り合わせ、バラバラになった三角や迎の元に繋いでみせると。
英莉可の力でドシャッ、ビチャッと、手足を叩きつけた跡がそこいらに伸び、道を作っていきます。
英莉可は言います。
「誰だって死とは繋がっているから必ず繋がる」
・・・と。
そして言葉の通り、英莉可の伸ばした死者の手形足形は、三角、迎、そして結界の外の協力者・半澤へと繋がるのだった。
一方、迎は冷川少年の説得を試みます。
自分の中に閉じこもってしまった冷川に、先生の結界から出られた後にこの小さな部屋からも踏み出してみようと。
この部屋は、少年時代の冷川の居場所、冷川の少年時代を閉じ込めた場所です。
冷川少年は否定します。
「いやだ、この場所を知られたくない、皆に嫌われてしまう」
・・・と。
「大丈夫だ」
迎は顔を覆い、頭を抱えます。
なんといってやれば冷川を救いたいという皆の思いが伝わるのか、考えあぐねているのでした。
英莉可の繋いだ手形を見て、先生は眉をひそめます。
「自分が能力を育ててやったのに、随分と恩知らずだ」
・・・と。
そして、蹲る三角の周りをまたペタペタと、歩き回りながら言葉を紡ぎます。
「悪いものを寄せ付けない体質の母親のおかげで随分キレイに育ったが、お前自身は随分と汚いものに好かれたろう」
・・・と。
「汚れた自分の血が流れている、三角は確実に自身の子供であり、この絆がお前にも分かるだろう」
・・・と。
三角は小さく呻きます。
「あ?」
と聞き返す先生に、三角は言葉を突っ返します。
「お前とは血しか繋がっていない、そんなものは自身の一部でしかない、もっと強い繋がりを自身は既に持っている」
・・・と。
そして英莉可の伸ばした手形に自身の手を合わします。
バキリと、力が満ちます。
三角は正面から先生を睨みつけ、立ち上がります。
「お前に俺は壊せない・・・」
いよいよ反撃の時です。
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