朝ドラ「澪つくし」の1話から最終週、最終回最終話の結末のあらすじやネタバレ、再放送や無料動画配信・見逃し配信を紹介していきたいと思います。
この朝ドラ「澪つくし」は、最高視聴率55.3%という脅威の視聴率を叩き出した朝ドラです。
ドラマでこれだけの視聴率なんて今では考えられない数字ですし、最近の朝ドラの2倍以上の視聴率を記録したことになります。
そんな伝説の朝ドラである「澪つくし」について徹底的に紹介していきたいと思います!
目次
朝ドラ「純情きらり」のネタバレ一覧
ここから、記事を全て読んでいただくのも嬉しい限りですが、記事が何分長いので、気になるところにジャンプ出来るように、それぞれのネタバレなどを項目ごとに用意しました!
気になる箇所をクリックしてみてくださいませ!
朝ドラ「澪つくし」の基本情報
昭和元年から戦後までの激動の時代を舞台に、醤油醸造の旧家一族の運命と絆の中で、波瀾万丈の水路をゆくヒロイン・かをるの愛の物語を描いた。
陸上で主に醤油醸造の仕事をする“陸者(おかもの)”と、銚子の海で漁をするのが生業の“海者(うみもの)”。
醤油醸造の大店のお嬢様と網元の跡継ぎの恋は、この陸者と海者という対立する二つの世界の壁を超える銚子版『ロミオとジュリエット』だった。
脚本のジェームス三木氏は、
「男の気骨と女の気品というものを書きたいと思っているんです。気骨というのは意気であり気概です。かんたんに人に屈しない魂でもあると思うんです。気品というのはいい意味での自尊心です」
として、
「少し古風な言い方ではありますが、人を愛することの美しさ、せつなさ、悲しさを書いていきたいと思っているんですよ」
と、執筆にあたっての思いを語っていた。
そこで選ばれた設定の一つが『ロミオとジュリエット』だったのだ。
そんなジェームス三木さんの思いを受けて、制作の中村克史チーフ・プロデューサー(当時)も、「連続ドラマの基本に立ち返り、起伏に富んだストーリー展開の面白さをたっぷりと味わってもらえるドラマにします」と抱負を述べ、スタッフも「時計がわりにはさせない」を合い言葉にテレビにくぎづけになるドラマ作りに意欲を燃やした。
その結果、『澪つくし』は最高視聴率55.3%。
1980年代の作品で『おしん』に次ぐ大ヒットとなった。
ヒロインの古川かをるを演じた沢口靖子さんは、1984年1月、東宝のニューフェース募集の「第1回東宝シンデレラ」に約3万2千人の中から選ばれた新人だ。
「大学へ行って、好きな書道の資格をとろうと思っていた」沢口さんだが、その後、映画2本に出演、また化粧品会社のキャンペーンガールに決まり、そして「誰からも愛される美人」(中村チーフ・プロデューサー)と、NHKの“朝の顔”に抜擢された。
重光亨彦チーフ・ディレクター(当時)は「芝居に注文をつけると、すぐにのみこんで芝居がどんどん変わっていく」と、打てば響くカンの良さを絶賛。
しかし当の沢口さんは、「自分の芝居を見ながらハラハラしていました。芝居に自信がないのが画面に出てしまっているんですね」と放送がスタートしたころを振り返る。
「かをるの気持ちはわかるのに、それをどう表現していいのかわからなくて、そんな自分に腹が立ったこともありました」と、新人ならではの手探り状態の悩みも語っていた。
しかし、父・久兵衛役の津川雅彦さんや母・るい役の加賀まりこさんといった共演者をはじめ、多くの人々に助けられたという。
「毎日、NHKに通って、それこそ手取り足取り教えてもらい、まるで学校に通っているみたいでした。だから、撮影が終わりに近づき、みんなからもうすぐ卒業ねといわれると、私は留年したいと言っていたんです」。
いかに充実した日々だったかを物語るエピソードだ。
【作】
ジェームス三木
【製作】
中村克史
【音楽】
池辺晋一郎
【演奏】
東京コンサーツ
【協力】
千葉県銚子市
【語り】
葛西聖司(NHKアナウンサー)
【主題歌】
彩恵津子「澪つくし」(作詞:ジェームス三木、作曲:池辺晋一郎、編曲:池辺晋一郎・尾形隆次)
本編のオープニングは演奏のみで、歌声は流れていない。
【挿入歌】
彩恵津子「恋のあらすじ」(作詞:ジェームス三木、作曲:池辺晋一郎、編曲:池辺晋一郎・尾形隆次)
主に、本編の尺が短い場合にエンディングで流された。
【演出】
重光亨彦、布施実、小松隆、西村与志木、黛りんたろう、石井愼、川合淳志、一井久司
【配信】
U-NEXT
URL:https://video.unext.jp/
朝ドラ「澪つくし」のあらすじ
昭和の初め、千葉県銚子は“陸(おか)者”と“海者”の世界に分かれて対立していた。
老舗のしょうゆ醸造店当主・坂東久兵衛(津川雅彦)とめかけ・るい(加賀まりこ)の間に生まれたかをる(沢口靖子)は、父に引き取られお嬢様として育てられていた。
やがて、網主の長男・惣吉(川野太郎)と恋に落ちるが、両家は対立する家柄だった。
古いしきたりをのりこえて育まれる2人の純愛。
そして、時代の嵐の中で天然醸造しょうゆのいのちを守り抜く旧家の人々の絆を描いた、波乱万丈、愛の旅路のドラマ。
朝ドラ「澪つくし」のネタバレ※最終回結末まで
惣吉さんとかをるさん
言葉がなくても一方のソワソワ組
言葉はないが顔でわかる#澪つくし pic.twitter.com/BQThECNCOz
— keity@昭和の俳優くびったけ (@keity_since1935) November 22, 2020
大正15年(1926年)、銚子の浜で画家の絵のモデルをしていた銚子高女の女学生・かをる(沢口靖子)は、たまたま通りがかった青年漁師・惣吉(川野太郎)に指に刺さったとげを抜いてもらい、乙女心に淡いときめきを覚える。
このことがきっかけとなり、やがて相思相愛の間柄になったかをると惣吉だったが、二人の前には双方の家の壁が立ちはだかる。
当時、醤油屋と漁師とは犬猿の仲であり、妾の子とはいえ、銚子でも屈指の醤油醸造元「入兆」の当主・坂東久兵衛(津川雅彦)を父に持つかをると、何人もの漁師を抱える外川の網元・吉武一家の総領である惣吉とが一緒になることなど、到底考えられなかったからである。
「坂東家の娘として嫁に出してやりたい」という久兵衛の愛情から、卒業と同時に正式に認知されたかをるは「入兆」に引き取られ、時を同じくして和歌山から銚子へ移ってきた本妻や異母姉弟達と、同じ屋根の下で暮らすことになる。
だが嫁入りのための行儀見習いという名目で、かをるを女中同然に扱い、何かにつけつらく当たる女中頭のハマ(根岸季衣)や、気まぐれで何を考えているかわからない異母姉・律子(桜田淳子)に振り回され、時として涙する日々が続く。
半年後、辛い行儀見習の日々を経て、名実共に「入兆」の娘として扱われるようになったかをるの元に縁談が持ち込まれる。
ところが、諦めつつも絶ち切れない惣吉への未練を察した律子の策略で破談となり、これによってかをるは久兵衛に惣吉のことを打ち明ける羽目になる。
烈火のごとく激怒し聞く耳を持たない久兵衛や、事情を知らない周りの者達からの中傷に耐え切れなくなったかをるは、ついに「入兆」を飛び出し実母・るい(加賀まりこ)の元へ身を寄せる。
しかし、ある日ふいに訪ねてきた久兵衛の言葉に、娘に対する父親の愛情と、それがうまく噛み合わないことへの苦悩や寂しさを感じ取り、「入兆」へ戻る決心をする。
再び「入兆」で暮らしはじめたその矢先、今度は、かをるの正直な気持ちを知った惣吉が「入兆」へ訪れ、久兵衛にかをるとの結婚の承諾を申し込む。
しかし久兵衛は頑として会おうとせず、意を決した惣吉は来る日も来る日も、ずっと坂東家の門の前に立ち続ける。
そんなある日、かをるは律子が起こした思想犯への密通事件に巻き込まれて投獄され、警察の厳しい取り調べを受けることとなり、更にはそれが新聞沙汰にまでなってしまう。
律子のことは最後まで口をつぐみ、濡れ衣を着せられたまま釈放されて戻ってきたかをるは、すでに事の真相を知って頭を下げる久兵衛に、涙ながらに「ひとりだけ本当のことを話したい人がいる」と懇願する。
それでも首を縦に振らない久兵衛だったが、惣吉の母・とね(草笛光子)に助言を受けたるいの説得もあって考えを変え、ある日突然かをるに勘当を言い渡す。
一連の出来事で惣吉の人柄やお互いの一途な思いを知り、「入兆の娘」という立場から解放してやることで、事実上、惣吉との結婚を認めるという、久兵衛の苦渋の決断だった。
こうして、さまざまな困難を乗り越えて無事祝言を挙げ、正式に網元の親方を継いだ惣吉と新妻・かをるは、待望の新婚生活をスタートさせる。
だが、かをるの波乱万丈な人生はこれからであった。
浜での暮らしや人々に溶け込んでいく一方で、可愛がってくれた叔父である高神村村長と地元漁師たちとの間に勃発した騒擾事件に始まり、最愛の夫・惣吉の絶望的な状況下での遭難、そして惣吉とのことを完全にふっ切れないままでの再婚と、わずか数年の内に、かをるの人生は激しく流転していく。
惣吉の遭難から日にちが経ち、遺体が見つからないまま執り行われた葬式では、利根川丸の漁師達が無念さのあまり、弔問に訪れた久兵衛に筋違いな怒りをぶつけてこぜり合いが始まる。
その最中に倒れて病院へ運ばれ、惣吉との間の一粒種まで流産してしまったかをるは、これ以上吉武家には置いておけないと激昂する久兵衛や、かをるの体を心配するるい達によって、退院と同時に心ならずも「入兆」へ連れ戻されてしまう。
惣吉のことや吉武家への不義理を思って傷心の日々を送るかをるだったが、久兵衛、そして前妻の没後、正式に久兵衛の妻となったるい、律子や英一郎らに気遣われながら暮らすうちに少しずつ元気をとり戻し、悲しみを紛らわすかのように家業の手伝いに精を出し始める。
やがて久兵衛達の勧めもあって再婚した梅木との間にも双子の男の子を授かり、ようやく心穏やかな日々が訪れる。
しかしそれも束の間、ある日東京に住む律子から、死んだはずの惣吉と街で遭遇し、記憶喪失の状態で警察に保護されているという話を聞かされ愕然とする。
動揺しつつも駆けつけたかをる達の尽力で、過去の記憶を全て取り戻しはしたものの、今度はかをるが他人の妻となっている現実が受け入れられない惣吉。
そして、かつての相思相愛ぶりを知っているだけに、平静を装いながらも心中穏やかならぬ梅木。
その感情のくすぶりは、愛するがゆえにかをるの「今の幸せ」を疑う惣吉と、かをるの「惣吉への未練」を疑って荒んでいく梅木との間に確執を生み、再び坂東家と吉武家の対立にまで発展、かをるを激しく苦悩させることになる。
そんな中、時代は太平洋戦争へと歯止めなく突き進み、醤油の原材料の統制、従業員や夫の徴兵、そして空襲による悲しい別れと、戦時下での悲劇は「入兆」や坂東家ともまた無縁ではなかった。やがて終戦を迎え、かをるは・・・。
朝ドラ「澪つくし」の評価と反響
律子姉ちゃんもかをるさんも
幸せになって欲しい😢
(総集編見てるからどうなるかはわかってるけど🤭)#澪つくし pic.twitter.com/U4CK7UsQ2W— keity@昭和の俳優くびったけ (@keity_since1935) November 18, 2020
大正末期から終戦後の昭和にかけての激動の時代、醤油醸造家を舞台に、純愛を軸に描かれたストーリーが人気を博し、関東地区では、1985年の放送で最高視聴率55.3%、平均視聴率44.3%を記録する大ヒット作品となった(ビデオリサーチ調べ)。
またヒロインを演じた沢口靖子の出世作となった。
朝日新聞2010年9月25日付のbeランキング「心に残る朝ドラヒロイン」アンケート結果では、沢口靖子が第4位だった。
なお、第1位は樫山文枝(『おはなはん』)、第2位は田中裕子(『おしん』)、第3位は国仲涼子(『ちゅらさん』)。
また、週刊ポスト2018年8月24日号の「最高の朝ドラヒロインを決めよう-ベスト30女優を大発表!」では、沢口は6位(同誌読者300人のアンケート)。
ドラマには銚子電気鉄道や漁師町の外川などが登場していることもあり、ロケ地には、放送終了後も当時の番組の案内が設置されている。
ヒゲタ醤油は、本作のモデルとされ、撮影協力を行った同社が運営する銚子市にある歴史資料館「ヒゲタ史料館」には沢口靖子ら出演者が同館を訪問した際の写真とサインが展示されている。
銚子電鉄がドラマの舞台として登場したことから、同社では自社の保有する鉄道線で「澪つくし」号というトロッコ列車を運行していた。
2009年4月時点では、安全面の配慮から運行はされていない。
なお、作中に登場していた車両は赤とベージュの二色塗りで、集電方式はビューゲルだったが、実際の時期では茶色一色で、ポール集電。
ドラマでは実際の時期に合わせて茶色一色にしたかったのだが、塗り替え費用が高いためやむなく代わりに側面に社章を入れたのだが、「違和感がある」、「違う」といった指摘がNHKにファンや視聴者から相次いでいたという。
放送当時は放送の影響や茨城県筑波郡谷田部町(現つくば市)で国際科学技術博覧会(科学万博)が開催されていたこともあり、銚子電鉄に乗車する観光客が多くなっていたという。
朝ドラ「澪つくし」のキャスト※ネタバレ含む
10回でも20回でも
おらはあきらめねぇ!待ちます…
カーーーーーーーー😆💕💕💕#澪つくし pic.twitter.com/0sbThNEqTa
— keity@昭和の俳優くびったけ (@keity_since1935) November 17, 2020
古川(吉武)かをる 演:沢口靖子
銚子屈指の醤油醸造元「入兆」当主の妾の子として生まれた。
幾多の困難を乗り越えながら、戦前・戦中・戦後を生き抜く本編のヒロイン。
偶然に出会った吉武惣吉に心惹かれてゆく。
銚子高女時代はバレーに熱中していた。
学校卒業後、「入兆」へ引き取られることになる(今でいう認知と同等の扱い)。
「入兆」では下働きから始まり、久兵衛の許しが出ると花嫁修業に励む。
初めて惣吉と2人きりで犬吠埼にて会う当日に千代が喀血してしまい、会うことが叶わず、1人悔し泣きする。
惣吉との再会が叶うも、互いのことを忘れるように言われてしまい、戸惑う。自身も身分が違うことは理解しているため、せめて「妹だと思ってほしい」と言って別れるも、同じ頃に見合い話が舞い込み、律子から焚き付けられる形で自分の気持ちが抑えられなくなってしまい、惣吉に会いに行く。
結納は律子によって破談となり、律子の嘘から久兵衛らを怒らせてしまうばかりか「入兆」での立場も悪くなってしまう。
一時期は耐えかねてるいの元に帰るが、訪ねて来た久兵衛の姿を見たことで決心して「入兆」へと戻る。
古川るい 演:加賀まりこ
かをるの実母。元々は「入兆」の小間使い。
久兵衛の妾としてかをるを生んで育てた。
「妾の本分」はわきまえており、万事控えめ。
かをるが幸せに嫁ぐことが何よりの夢である。
久兵衛の3人目の女・三隅照子とは「本分」を巡って気が合わない。
気が強く、かをるを父同然に叱り飛ばす。
かをるの女学校卒業後は千代の希望で身の回りの世話を請け負うも、ハマのイヤミに我慢が限界に達して辞退する。
千代が入院してからは、再び千代から頼まれて身の回りの世話をすることになる。
かをるの縁談が流れてしまったことには心を痛めるが、「入兆」から帰って来たかをるには戻るように諭す。
馬場ツエ 演:鷲尾真知子
古川家に住み込む小間使い。
おっちょこちょいで声が大きい。余計なひと言が多く、「すいません」が口癖。
るいが千代の世話係を降りてからは代わって通いで受け持つことになり、ハマからイヤミを言われることになる。
千代が喀血したときの発見者になり、またハマからはイヤミを言われるも小畑からは気遣われる。
坂東律子 演:桜田淳子
かをるの異母姉(坂東家の長女)。
先進的な女性を自負している。
ピアノが弾け、文学に詳しい。たとえ気性の荒い漁師相手でも強気に接する。
教養がある一方、皮肉や気まぐれに発言することも多く、男たちをあしらうつもりなのか、結局は振り回してしまう。
頑固な面は久兵衛に似ているが反発し合っている。
千代の控えめさにも内心では反対している。銚子に愛着はない。
かをるには「新しい女」になるようにと言った。
かをるら母子と初対面時には挨拶を無視していたのだが、なんの気まぐれか、急に古川家を訪ねて来て、かをるを連れ出す。
かをるが坂東家に引き取られて世話役を任されたときに顔を合わせたときには、また無視をしたり、振り回したりし、「お嬢様」ではなく「律子さん」と呼ぶように言いつける。
大学時代から水橋信吾と隠れて付き合っており、昼間に弾くピアノは夜中に逢うための合図であった。
ぎんらから勧められた見合いもわざと破談させたほか、水橋との交際がバレると、久兵衛らを怒らせてしまい、寝ずの番がつく軟禁状態となる。
なお、水橋との交際は本気だったようで、しばらくは気の抜けた生活をしていた。
水橋と交際中に小浜から惚れられていたが、さらに河原畑からも惚れられ、善吉にも意味深な言葉をかける。
見合いをするかをるには「移り気」と言い、かをるの煮え切らない態度に対し、小浜を利用して見合いを破談にしてしまう。
坂東英一郎 演:鷲生功
かをるの異母弟(坂東家の長男)。母親似の鷹揚な性格。
かをるの良き理解者。かをると顔を合わせると、すぐに「姉さん」と呼んだ。
惣吉の弟・善吉とは友人関係になる。かをる想いには気が付いており、たびたび、かをるに惣吉からの様子などを伝える。
久兵衛からは勉学に励むように言われているが、本人は乗り気ではない。
坂東千代 演:岩本多代
久兵衛の本妻(律子と英一郎の母)。おっとりした人柄。
妾である、るいを気遣う器量の大きさを持っている。
長年、和歌山に住んでいたが、久兵衛の提案で銚子へ移り住むことになる。
かをるに対しても優しく接するが、母親としての芯はしっかりしており、理想や新しさを追う律子をたしなめる。
肺を病んでおり、るいには自身が長くない旨を語り、律子らのことも託す。
律子と水橋の交際には大変ショックを受けたらしく、律子がこっそり水橋を追いかけようとするのを見て、普段の穏やかさからは変わって厳しく叱りつけた。
昭和2年、病状が悪化して喀血。翌日、町営病院へ入院する。
後日、実は自分が亡き後に久兵衛が再婚するのではと不安を口にし、あえて、るいに夫婦仲を見せつけていることを明かす。
手術が成功してからは比較的容態は安定し、正月には自宅で過ごせるまでに回復する。
かをるの見合いが流れたことを聞くと残念がっていた。
坂東久兵衛 演:津川雅彦
「入兆」の11代目当主。かをる・律子・英一郎の父。
律子の自由な振る舞いが悩みのタネである。
「醤油屋は醤油屋と一緒になるのが1番」と考えている。
律子の世話役をかをるがすることには大反対し、ハマを呼びつけて怒鳴った(律子もかをるも同等に扱いたいため)。
頑固ですぐ怒鳴る(律子から嫌がられている点であるが、元々は似た気性である)。
労働組合の結成には反対の立場。職人らの面倒見は良く、現場の意見を聞き入れる。
食事には差をつけずに職人と同じものを食べており、実は愛情深い好人物である。
律子と水橋の交際を知ると手切れ金を渡して水橋を追い出してしまい、律子にかをるとハマを番に付ける。
以降、律子と水橋の騒動は「前科」と呼んでおり、どこへ行くにも付き人を付けるようになる。
ようやくまとまりかけたかをるの縁談は律子に壊されてしまい、一時は寝込んでしまうほど落胆する。
重ねて、かをるの口から惣吉の名を聞いてしまったことで大激怒する。
吉武惣吉 演:川野太郎
外川の網元・吉武家の長男。口数は多くないが実直。
ツエ曰く「男の中の男」。乗組員からは「若旦那」と呼ばれる。
浜辺で絵のモデルをしていたかをると偶然出会い、その絵を買い求めた。
かをるが坂東家に行く前、また逢えるであろうことを告げた。
坂東千代が喀血した日、犬吠埼で1日中かをるを待っていたらしいが、その後、英一郎の口から見合いをしたことが語られるが、かをるを思っての嘘であった。
「漁師と醤油屋では釣り合わない」との考えから、かをるとは逢わないと告げるも、律子に焚き付けられて逢いにやって来たかをるの姿に想いが抑えられずに抱擁を交わす。
梅木や清次がかをるのことで乗り込んできた際には動じずに対等に話をし、母や船村に、かをるを嫁にすると宣言。
結婚を認めてもらえるよう、何度も「入兆」へと乗り込んで行く。
周囲の猛反対を押し切って愛を育んでいくが・・・。
たびたびかをるの夢にも登場する。
梅木健作 演:柴田恭兵
手代。幼い頃に久兵衛に拾われ、以来忠誠を尽くしている。
古川家に毎月の生活費を届けたり迎えに来る役目。
仕事もできて物腰も柔らかい。周囲からは真面目と評される。
自分のことなど、多くは語らないが、屈折した面もあって実は野心家。
小畑曰く「かをるに惚れている」。
若林ハマ 演:根岸季衣
坂東家の女中頭。夫には逃げられ済み。
坂東家には誰よりも献身的に仕えているが、それ以外の人間には無愛想で冷たい(初めて顔を見たツエからの印象も芳しくなかった)。
久兵衛からは「性格が暗い」と評されるが仕事ぶりは買われている。
千代に付き添い、甲斐甲斐しく世話を焼くも、自分を差し置いてかをる母子を気遣ったため、余計に面白くない様子。
かをる母子の存在を苦々しく思っており、るいと「入兆」で顔を合わせたときにはイヤミを言っていた。
久兵衛から、かをるの躾係を配されると、かをるが英一郎から「姉さん」と呼ばれるのがおかしいと言い、かをるが律子を「律子さん」と呼ぶのも気に入らない。
るいが千代の世話係になるとイヤミばかり言い、新たにツエが千代の世話係になると、こちらにも冷たく当たり、千代が喀血すると増してイヤミを言った。
かをるの見合いが破談になると「いつまで屋敷にいるつもりなのか」と再びイヤミを言ってくるも、誤解が解けると素直に謝罪した。
惣吉がかをるを訪ねて来ると、久兵衛に、かをるを嫁に貰うためにやって来たこと・印象は頼もしい青年であることを伝える。
弥太郎 演:明石家さんま
関西から流れてきたお調子者の職人。通称は「ラッパの弥太郎」。
喧嘩っ早く騒がしい。縁あって「入兆」で働くことになるが、商品にケチをつける、女中の尻を触るなど、しょっちゅう騒動を起こす。
職人の殿岡とは次第にコンビのようになっていく。
腕っぷしは強くない(口先ばかりである)が、将棋は強い。
水橋信吾 演:寺泉哲章
律子の大学時代からの恋人。通称は「広敷の男」。
革新運動家として活動しており、金銭的には苦しい立場にいる。
労働運動を起こすために「入兆」へと潜り込むが、律子との密会の場を小浜に見られ、告げ口されたことで久兵衛の知るところとなる。
久兵衛を「労働者から搾取する資本家達は如何なる人格者でも悪」と糾弾したものの、久兵衛の勢いに負けてか、手切れ金を渡され、そのまま追い出された。
のち、河原畑が読んでいた新聞に負傷者として名前が登場し、律子に手紙を出してくる。
小浜敬助 演:村田雄浩
「入兆」従業員。農家の三男坊。
口減らしで働きに出された。文学は好きらしいが内容が難しいものは避けがち。律子を好いている。
水橋の思想や運動に少しずつ理解を示していたが、本心からではなく、運動が成功すれば憧れの律子と結婚できると思っていたためである。
ある夜、2人の密会を目撃し、久兵衛にリークした。
律子が水橋と別れると、律子を呼び出してすべてを打ち明ける。
そのときに「軍人に向いている」と言われた言葉を真に受けてしまう。
かをるとの縁談に際し、律子に加担して芝居を打つ。
そして久兵衛の怒りを買ったことで「入兆」を追い出され、律子には「陸軍将校になる」と宣言して去って行く。
古川清次 演:寺田農
るいの兄(かをるの伯父にあたる)。弥太郎に劣らぬお調子者で失言も多い。
根は妹思い・姪思い。本職は樽職人で仕事柄「入兆」とも繋がりは深い。
かをるの幸せのためには「醤油屋へ嫁ぐのが1番」との久兵衛の考えに同調している。
不景気のために久兵衛に借金をしていることもあり、御用聞きのように扱われる場合もある。
久兵衛に命じられて吉武家に乗り込む形となり、一部始終をかをるに話したことで一時は拒絶されてしまう。
名取ぎん 演:三ツ矢歌子
久兵衛の妹。通称「高神の奥様」。村長である夫を誇りに思っている。
世話好きだが気位は高い。かをるとも面識はあり、律子以上に可愛がっている。
律子に見合いを引き受けるも台無しにされて憤慨する。
当初は見合いの順序にこだわっていたが、かをるに醤油屋「大茂」の見合い話を持ってくる。が、律子が嘘の密告をしたことで破談となってしまう。
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