テレビ東京の午後のロードショーで放送された2011年の日本映画「八日目の蝉(ようかめのせみ)」のあらすじやネタバレ、キャスト・原作情報や無料動画や見逃し配信のノーカット無料視聴方法や再放送のことなどについて紹介したいと思います。
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映画「八日目の蝉」のあらすじ・ネタバレ
1995年10月東京地裁。秋山丈博(田中哲司)、恵津子(森口瑤子)夫婦の間に生まれた生後6ヶ月の恵理菜を誘拐し、4年間逃亡した野々宮希和子(永作博美)への求刑が告げられた。後に何か言いたいことを裁判官に尋ねられた希和子は、「4年間、子育ての喜びを味わわせてもらったことを感謝します」と静かに述べたー。会社の上司であった丈博を愛し、身ごもった希和子。しかし彼には妻がいた。丈博は「妻とは別れるから、それまで待ってくれ」と言うばかりで、生むことはどんなに望んでも叶えられないことだった。気持ちの整理がつかないまま、子供をおろした希和子だったが、人工中絶手術の後遺症で二度と子供を産めない体になってしまう。そんな時、丈博から妻の恵津子が出産したことを知らされる。最初から自分との未来はなかったのだと思い知る希和子。丈博と別れる前に、一目だけでも赤ちゃんを見たら諦めがつく…そう思った希和子は、夫婦の留守宅に忍び込む。そしてベビーベッドで泣き叫ぶ赤ちゃんを抱き上げた瞬間、赤ん坊は笑顔を向けた。その瞬間、希和子は子供を抱きかかえて、雨の中を飛び出していった…。その4年後、母娘の幸せな暮らしは終わりを告げた。月日が経ち、本当の両親とわだかまりを感じながら成長した恵理菜(井上真央)は大学生になり、家庭を持つ男の子供を妊娠してしまう…。封印していた過去と向き合うことを決めた彼女の運命とは…。
出演者
井上真央(秋山恵理菜/薫)
永作博美(野々宮希和子)
小池栄子(安藤千草)
森口瑤子(秋山恵津子)
田中哲司(秋山丈博)
映画「八日目の蝉」のネタバレ
逮捕され、裁判を受ける希和子。4年前に希和子が犯した誘拐事件が語られる。希和子は、不倫相手の妻が産んだ赤ん坊を衝動的に誘拐したのだ。
同時進行で語られる21歳の恵理菜の物語。恵理菜は一人暮らしの大学生だが、不倫の子を身ごもっていた。そんな恵理菜の前にルポライターと名乗り現れる千草。恵理菜は、21年前に誘拐された赤ん坊だったのだ。保護された後、実の両親に馴染めなかった恵理菜の辛い記憶と、誘拐中の逃避行が交互に語られて行く。
実は幼なじみだと打ち明ける千草。千草は、希和子が逃亡中に身を寄せた「エンジェルホーム」で、恵理菜の遊び相手だったのだ。「薫」と呼ばれていた希和子との生活を追想する恵理菜。希和子は恵理菜を誘拐した犯人だが、母としての愛に溢れていたのだ。
不倫相手に別れを告げ、千草と共に小豆島を訪れる恵理菜。そこは、恵理菜にとって幸せの記憶に満ちた場所だった。心の空白が埋められて行く恵理菜。両親や過去へのわだかまりも解け、恵理菜はお腹の子を慈しみ育てることを誓うのだった。
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「八日目の蝉」について
「八日目の蝉」は、角田光代による日本の小説。読売新聞夕刊にて2005年(平成17年)11月21日から2006年(平成18年)7月24日まで連載、中央公論新社より2007年(平成19年)3月25日に刊行された。「母性」をテーマに、不倫相手の女児を誘拐した女性の逃亡劇と誘拐された少女の成長後を描く。第2回中央公論文芸賞受賞作。
1993年(平成5年)12月に発生した日野OL不倫放火殺人事件が本作のヒントになっている。2010年(平成22年)にNHK総合テレビにてテレビドラマ化(後述)、2011年(平成23年)に松竹配給で映画化された。
「母性」をテーマにした作品。不倫相手の子供を誘拐した女・希和子の3年半の逃亡劇と、事件後、大人になった子供・恵理菜の葛藤を描く2章(プロローグである第0章を入れると3章)から構成される。サスペンス調だが、出生、愛情、家族などの日常的な要素が、独特の切り口で描かれる。
あらすじ
第0章
秋山丈博の愛人であった野々宮希和子は秋山宅に侵入していた。眠っていた赤ん坊(秋山恵理菜)を一目見るためだったが、赤ん坊が笑いかけたのを見て衝動的に誘拐する。
第1章
希和子は「薫」と名づけた赤ん坊とともに逃亡を始め、まず事情を知らない親友の手を借りた。その後、立ち退きを迫られている女の家での滞在や、偶然に遭遇した女性だけで共同生活を送る「エンジェルホーム」に所持金をすべて手放して入所。さらにエンジェルホームで出会った共同生活者の手助けを得て、小豆島に逃亡し、安心感を得た生活を送ったものの、1枚の写真がきっかけで希和子は逮捕された。
第2章
成人した恵理菜は、妻子持ちの岸田と付き合う中で希和子と同様に妊娠し、岸田は丈博同様頼りにならなかったが、「緑のきれいなころ」という言葉から、自分の判断を下した。また、恵理菜の前に、かつてエンジェルホームにいたという安藤千草が登場した。最後は瀬戸内海の場面と「仮の親子」の運命に関する描写である。
時系列経過
1985年
2月3日 – 秋山宅に侵入し、恵理菜を誘拐
2月4日 – 仁川康枝の家で過ごす
2月9日 – 名古屋へ逃亡。中村とみ子の家で過ごす
2月11日 – 警察が事件として捜査開始
2月13日 – 公園でエンジェルホームの移動販売に遭遇し、天然水を購入する
2月17日 – 中村とみ子の元を出て、エンジェルホームに入所。同じ日、全国に指名手配
3月20日 – エンジェルホームの正式なホームメンバーになる
1987年
8月6日 – エンジェルホームから抜け出し、再び逃走
8月7日 – 小豆島にて久美の母・昌江に逢う。あるラブホテルにて住み込みで働く
8月30日 – 小豆島八十八箇所めぐりを始める
10月6日 – 昌江がうちで働かないかと誘う。同月、素麺屋で働き始める
1988年
9月12日 – 7月の祭りで撮られた写真が、全国紙に載ってしまう
9月19日 – 小豆島・草壁港にて逮捕。恵理菜は家族の元に戻される
11月 – 第一回公判
1990年12月 – 結審、懲役八年の判決が下る
2005年夏 – 恵理菜、バイト先の帰りに千草の訪問を受ける
2006年1月 – 恵理菜、千草の誘いで共にエンジェルホームと小豆島を訪ねる
テレビドラマ
NHK総合の「ドラマ10」枠にて2010年3月30日から5月4日まで放送された。連続6回。
これまで火曜22時台で放送してきた『プロフェッショナル 仕事の流儀』が半年間休止されることに伴い、空いたこの時間に「ドラマ10」が新たに設けられることになった(復枠した)。本作はこの第1作となり、主演を務める檀れいの初主演作でもある。本作以後、『ドラマ10』で放送される番組はレターボックス16:9で放送されている。
2010年(平成22年)10月29日、第27回 ATP賞テレビグランプリ2010にて、同作品はグランプリを受賞した。
原作との主な相違点
中村とみ子がゴミ屋敷の住人の設定(原作では立ち退きを迫られた住人ではあるがゴミ屋敷ではない)。
エンジェルホームでの騒動時に報道カメラに希和子が収まってしまったため、丈博に居場所がバレてしまうエピソードを追加。なお、原作での或る祭りの際に撮られた写真が佳作として新聞に載ったためという設定はそれはそれで残っている。
ドラマオリジナルで篠原文治が登場する(原作の役所職員・大木戸一に該当)。
小豆島で久美と再会する(原作では再会できないまま希和子が逮捕される)。
仁川康枝が小田原に住んでいる(原作では本八幡)。
真理菜が登場しない(原作では真理菜と対面するのは、恵理菜(薫)が元の家族に戻った時)。
映画
成島出監督、奥寺佐渡子脚本で映画化され、2011年(平成23年)4月29日から全国公開。主演は井上真央。
全国224スクリーンで公開され、2011年(平成23年)4月30、5月1日の土日2日間で興収1億5,557万900円、動員14万2,990人、初日3日間で興収が2億2,125万4,000円、動員が19万6,130人になり映画観客動員ランキング(興行通信社調べ)で初登場第5位となった。第35回日本アカデミー賞では10冠を獲得した。
キャッチフレーズ
どしゃぶりの雨の中で起きた誘拐事件。犯人は父の愛人。連れ去られたのは、私。私はその人を、本当の「母」だと信じて生きてきた。
キャッチコピー
優しかったお母さんは、私を誘拐した人でした。
なぜ、誘拐したの?なぜ、私だったの?
原作と映画版の違い
描かれていない話
最初の逃亡先である名古屋で匿ってくれた中村とみ子との交流。
一人っ子という設定。恵理菜の妹・真理菜の存在は無しにされている。
誘拐時、希和子の放火未遂容疑もしくは出火過失の有無。
小豆島に逃亡した当初、ラブホテルでの住み込み勤務。
小豆島で、実質的にお見合いした役場の職員、大木戸一(はじめ)との交流。
物語の終盤、新岡山港における希和子と恵理菜の互いの相手を認識しないすれ違い。
設定の変更
恵理菜と千草が再訪した時点のエンジェルホームは運営されているが、映画では廃墟化。
原作では恵理菜と千草が小豆島に渡った直後で終わるが、映画では実際に島を巡り過去を辿る。
細かな違い
誘拐現場 – 日野市内のアパート → 平塚市内の一軒家
逮捕現場 – 草壁港(高松ゆきフェリーのりば) → 福田港(姫路ゆきフェリーのりば)
「八日目の蝉」の主な登場人物
野々宮 希和子(ののみや きわこ) / 宮田 京子(みやた きょうこ) / ルツ
1955年、小田原市生まれ。大手下着メーカーK社に就職。のちに不倫と知るも相手の言葉に乗り、同僚の秋山丈博と付き合いを始めた。丈博の子供を堕胎した経験があり、その結果、子宮内が癒着し子供が産めない体になっている。恵津子になじられた言葉が未だに心の傷となっている。恵理菜を一目見るだけだった筈が衝動的に連れ去り、「薫」と名づける。これが元で誘拐犯として追われる身となり、潜伏先を転々としながらエンジェルホームに逃げ込む。そこでも自分達の娘や妻を奪い返そうと息巻く家族団体からの抗議に巻き込まれる中、警察の介入を恐れて再び逃亡を計画。久美の協力を得て小豆島へと逃亡した。久美の母・昌江の下で偽名(宮田京子)を使い働きながら、愛情もって薫を育てていたが、既に指名手配犯となっており、小豆島の行事で自身の写ったアマチュアカメラマンの写真が全国版の新聞に載ったことがきっかけとなり、最終的に警察に逮捕された。
秋山 恵理菜(あきやま えりな) / 宮田 薫(みやた かおる) / リベカ
1984年8月19日生まれ。薫としては7月30日生まれ。大学生。生後6か月で希和子に連れ去られ、彼女の娘・薫として育てられたが、4歳の時に希和子は逮捕され、家族のもと(秋山家)に戻る。しかし、このことが大々的に報じられ、世間からの好奇の目にさらされてしまったため、誰ともなじめない日々を過ごしていた。実の親との関係もぎくしゃくし、親の反対を押し切って独り暮らしをしている。18年前の出来事を客観的にみているものの、実は自分が何なのかもわからないでいる。岸田と不倫関係にあり、岸田の子を妊娠。希和子と同様の道を歩んでしまっている。18年ぶりに千草と再会し、次第に彼女に心を許す中で、失った自分を取り戻していく。
秋山 丈博(あきやま たけひろ)
1951年、長野県生まれ。恵理菜の父親。不倫中は希和子に妻との離婚をよく口にするようになり、希和子は丈博との将来を現実的に考えるようになる。しかし妊娠を告げた希和子に、離婚の計画が台無しになるとして堕胎を説得する。事件解決後、誘拐事件に対して無関心を装い住居や職を転々とした。原因が自分にあると指摘されるのを心底恐れていたためである。
秋山 恵津子(あきやま えつこ)
1953年生まれ。恵理菜の母親。ヒステリックな一面を持ち、夫の不倫相手だった希和子を罵倒する。誘拐事件当時は別れた男友達がおり、事件発生直後に男友達を疑ったために誘拐事件の初動捜査が狂い、希和子が逃亡できた原因を作った。戻ってきた恵理菜にどう接してよいのか分からず、不器用な愛情を与えたことが原因で、恵理菜を苦しめる存在となっている。
秋山 真理菜(あきやま まりな)
1985年生まれ。恵理菜の妹。今でこそ恵理菜が唯一緊張せずに話し合える仲だが、戻ってきた当初は彼女を避けていた。
岸田
恵理菜の不倫相手。恵理菜が事務のアルバイトで勤務した塾の講師。
仁川 康枝(にがわ やすえ)
希和子の学生時代の同級生。希和子の不倫関係の相談に乗っていた親友。事情も知らずに一時的に希和子を住まわせる。
中村 とみ子(なかむら とみこ)
康枝宅を出て、最初に逃げ込んだ家の住人。家からの立ち退きを迫られているが、周囲とのかかわりを一切絶ち、要請にも応じなかった。演歌を大音量で流している。
安藤 千草(あんどう ちぐさ) / マロン
1976年頃生まれ。エンジェルホームではマロンと呼ばれ、リベカ(薫)とよく遊んでいた。フリーライターとしてエンジェルホームの問題や恵理菜の事件を取材し、これまでは自費出版であるが、今度は正式に出版社から本を出そうとしている。エンジェルホームにいたことが原因で、いじめを受けたりして、本人いわく、現在は「母親のすねをかじって」いる。男性経験がないことをコンプレックスに感じている。後半、物語が大きく動くきっかけとなる存在。
沢田 久美(さわだ くみ) / エステル
1957年生まれ。夫の不倫が原因で離婚した後、裁判で子供の親権も奪われたことに絶望し、エンジェルホームにやってくる。のちにルツ(希和子)に自分の母親の住所を教え、希和子の逃亡を手助けした。
沢田 昌江(さわだ まさえ)
久美の母親。小豆島で素麺屋を営む。久美が離婚した後、突き放すような言い方をしてしまい、それによって久美が姿を消したと思い心配している。希和子が久美の事を知っていて、自分を頼る様に言付かっていた事から希和子を受け入れて自分の素麺屋で働かせるが、彼女が指名手配されていることを知らなかった。
エンジェルホーム
ボランティア団体を自称し、現世において具現化された楽園としているが、実態は家族や夫らに理不尽な仕打ちをされたり、見放されるなどの複雑な事情を抱えてやって来た女性たちで構成されている。ここではこの楽園を世間にえることを奉仕として行っており、雑誌などの持ち込みは一切禁じられている。「スタディ」という名の研修を行い、その後の面談を経てホームメンバーの可否が決められる。このとき、持っている財産をすべて手放さなければならないという誓約を交わす。メンバーは俗世で「ワーク」という名の労働を行う。
エンゼル / 長谷川 ナオミ(はせがわ ナオミ)
エンジェルホームの代表。希和子の正体を知ったのは受け入れ後と主張したが、犯人隠匿罪で有罪判決を受けた。
田辺 エレミア(たなべ エレミア) & 諸橋 サライ(もろはし サライ)
エンジェルホームの指導係(マザー)。
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